国王とは違い、穏やかな性格。



頭もよく、話がわかる獣人のひとりとして、あちらでの仕事ではとても助けられたのだ。



「それにしても、小さいですね。何から何まで」

「人間サイズだからな。お前ら用に大きめの物も準備している」

「感謝いたします」



獣人はとにかくデカイ。



ハーフであるジェードも背が高いが、純粋な獣人は本当にデカイのだ。



「ベル、滞在する部屋を案内する」

「楽しみにしていたのですよ、フィンリューク様が言っていた『風呂』というもの」



風呂に入りたいと仕切りに言っていた俺に、風呂とは何かと聞かれて答えたら、王子が興味を持ったのだ。



なので、使っていない後宮を滞在部屋にすることにした。



「お兄様、すごく可愛いお部屋ですわ‼︎」

「好きに使ってくれ、アーシャ。何かあれば遠慮なく言うといい」

「ありがとうございます、皇子殿下‼︎」



ベルの妹のアーシャは、ハーフ獣人で、俺の側妃にと勧められた女だ。



とても優しい顔をしていて、小さな鹿のツノが頭についている。