【フィンリューク】



初めてシュナウト王国に足を踏み入れたバルジャの者たち。



「豊かな国だ」



丸くなったライオン国王は、シュナウト帝国の各地を回って様子を見てきたようだ。



そりゃあそうだろう。



父上が死に物狂いでなんとかしてきた帝国なのだから。



「お初にお目にかかります、アリスと申します」

「陛下の妻といい、皇子の妻も華奢な娘だな。握ったら潰れそうだ」

「に、握っ…」

「はははっ、冗談だ」



ほんと、丸くなった…。



それもこれも、シュナウトの傘下に入り、情勢が安定してきた証拠だろう。



「はじめまして、バルジャ王国、第一王子のベルナルドです。お会いできて光栄です、お妃様。とてもお美しい…」

「盛るな、ネコ」

「ネコではなくライオンですよ、フィンリューク様。そのネコいじり、そろそろやめてもらえますか?ひっかきますよ?」

「ははっ、久しいな、ベル」



バルジャの第一王子とは、一緒に仕事をして仲良くなった。