皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

幼少の頃に陛下に拾われ、それからずっと城ぐらしで自分の家もない。



宰相のアレン様のように爵位も持たない私。



さすがに考える『結婚』という言葉。



陛下から何度か見合い話はあった。



後継のいない伯爵の娘や、男爵家から婿に欲しいとか。



首を縦に振らなかったのは、想い人であるグレース様がいたからだったのだが…。



今ではもう、ちゃんと過去になっているわけで。



「お酒でも飲まれますか…?」

「ん?いや、いい。シャワーを浴びてくる」

「は、はいっ‼︎お着替えの準備をっ‼︎」

「座っててくれ。先に寝ててもいいが…」

「起きて待っていますっ‼︎」



健気なミアに、ただ困惑する。



先のことを考えると、どうも話ができなくなるのだ…。



服を脱ぎ、大事な指輪とブレスレットを外して熱めのシャワーを浴びる。



「家、か…」



グレース様が他国へ嫁いだ時、私の住む場所はこの城以外にないと思っていたのに…。



私はただの『住み込みで働くハーフ獣人』でしかないのだな…。