皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

あの強さがほしい。



何物にも屈しない信念と、大きな器。



俺はまだまだ小さいのだな…。



「どうやったら、あんなふうになれるのだろうな」

「陛下は昔から得意でしたから。外交なんかもしていましたし」

「外交か…」

「生まれた時代が違うのですよ。殿下は殿下の望む姿になってくださればいいのです。陛下とは違う、殿下なりの王になってください」



お茶を渡しながら、ジェードが俺に笑顔を向けた。



最近、よく笑うようになったな。



それに、そんな言葉をジェードから言われるとは思ってなかった。



見習えとか、陛下のようにとか。



そう言われると思っていたのに。



「こちらは…寒いな…」

「えぇ、そうですね」

「家をなくした民は、住む場所があるのだろうか…」

「それは…どうなのでしょうね…」



自然災害には、勝てないからな…。



噴火や川の氾濫、悪天候で食べ物も育ちが悪いと聞いた。



そんなものが、この帝国の各地で起き、暴動なんかも起きているらしい。