皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

ため息をついた父上は、消したはずの兵士を元いた場所に戻した。



「えっ、なにが…起こったんだ…」



わけがわからないという顔をしている。



俺も原理はわからない。



「では、敗北宣言を聞きたいのだが」

「私はどうすればいいのだ…」

「降伏しろと言っている」

「そんなこと…」

「苦しむ民を、これ以上苦しめるつもりか‼︎お前は今まで、この帝国のなにを見て来たのだ‼︎このままでは、お前もろとも、国が滅びるぞ」

「滅びる…」

「獣人の誇りの使い方を間違うな。同じ皇帝として、同じ人として、何がいちばん最善なのかをよく考えろ」

「時間を…くれ…」




そう言って、今日の話し合いは終了。



一言も発さなかったな、俺…。



発言できるような状況でもなかったのだが…。



与えられた部屋は、前と同じような豪華な部屋。



ジェードが一緒に寝るそうで、父上はアレンと一緒に過ごすと。



「すごいな、父上は…」

「はい、さすが陛下です」

「見習っても、敵うとは思えん」

「それでは困るのですけど。殿下には、陛下の上を行ってもらいますよ」



できるのだろうか、俺に。