皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

皇帝である王も、立場が危ないのだと。



そこで、シュナウト帝国に戦を仕掛け、勝利すれば国土が手に入る。



さらに、領地を手に入れれば、王としての支持も上がるはずだと。



「頭が空っぽなのだな。シュナウトに戦いを挑んだところで、負けるとは考えていないのか?」

「戦力を削ぐため、皇子の暗殺を企てた」

「ずいぶん、間抜けな策だ」

「それしか、道は残されていないのだ‼︎」

「ならば、うちと一戦交えてみようではないか。負ける気など、全くしないがな。今、戦争になったら、指揮官であるお前を私が消してしまうのだから」

「戦わずして、敗北なのか…」

「私が出向いたところで、バルジャの負けは決まっている。戦いには、多くの犠牲を伴い、少ない食料が更に減るのだ。勝てると思っていたのなら、お前は皇帝失格だな」

「そんなことは、わかっている…」



助けて欲しいと頭を下げることもできなかったと言った。



苦肉の策だったのだと。