皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

暖かい場所。



さすが、皇帝陛下の弟。



陛下のような威圧感はない。



こんなに広いお城に住んでいるのに、ちゃんと『家族』が存在している。



お腹いっぱい食べて、豪華な離れでシャワーを浴びたらお庭で涼む。



暑くなってきた…。



リュークは北に向かったのよね。



あちらはまだ寒いのかしら…。



「心配ですか?」

「えぇ、まぁ、ね…」

「大丈夫ですよ。陛下も一緒ですし、殿下は絶対、アリス様の元へ帰ってきます」

「ごめんなさい、ヒナ…。少しだけ…泣いてもいい?」

「いいですよ。ヒナしか見てません。ヒナは誰にも言いません」

「不安でっ、怖くてっ…どんな顔をしたらいいのかわからないのっ…」

「大丈夫、大丈夫ですよ」



ずっと泣きたかった。



バルジャへ行くと聞いた時から。



リュークが毎晩私を抱く理由がわかってしまったから。



心が潰れてしまいそうなほど、苦しいの。



不安で不安で…耐えられるかわからない。