こんな風に抱かれるとは思ってなかった。



少しでも優しくされて、多少可愛がってもらえればよかった。



私はこの人と生きていかなければならないの?



「泣くのか?」

「泣く…のは、我慢します…。あなたの前で、泣きたくない」

「強気だな」

「偽っていないと、涙が出るからっ‼︎」

「はははっ、面白い」



パッと離された手。



本当に、笑ってる…。



酷いことして、笑ってる。



「最低っ…」

「結局泣くのか。悪い悪い、はははっ」



お腹抱えて笑ってる‼︎



本当に、最低…。



「俺に暴言吐いていいのか?正妃になりたいのであろう?」



無視してリボンを結び直す。



大嫌い。



性格、最悪じゃない‼︎



「なんとか言え」

「父には、そう言われました。どうしたらなれますか?」

「んー、俺を誘惑してメロメロにしてみる」

「却下で‼︎」

「つれないな、我が妃よ」



髪を手に取り、チュッと口付けられた。