皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

俺が死んだとしても、アリスはこの城に留まる。



皇子の正妃になった女が再婚なんて許されるはずがない。



俺もいなくて、ひたすら寂しい毎日を送るのかと思うと…後宮にいたあのふたりと変わらない。



せめて子どもがいれば、アリスの生きる希望になるのではないかと、そう思うのだ。



「んっ…」

「アリス…、アリス」

「リュ…ク…?おかえ、り…さい…」



掠れた声が可愛くて、頭にキスを落とす。



顔が見たい。



カーテンを開けると、薄らと目を開けたが、すぐに閉じた。



「アリス、起きてくれ」

「なん、ですぅ…?」

「脱がせていいか?」

「やぁ…」

「いいのだな。さすがアリス。寝ててくれればいい」

「そんな、の…ヤダっ…」

「なら起きて動いてくれよ」

「それも、や…」

「時間がない。寝なければ…」

「寝たらいいのにっ…。んっー…やっ…」



時間がないのだ。



出発まで、時間がない。



今しか触れられないかもしれないなら、たくさん触れておきたい。