皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

誰だって争いたくない。



失う物の方が多いなんて、誰が考えてもわかること。



「シュナウトは助け合い、互いに成長してきた。戦いではなにも生まれない。その事を知っている私たちが、争いをしてはいけないのだ」

「陛下の仰るとおり」

「どうなるかわからないが、頼む、力を貸してくれ」



頭を下げる父上を初めて見た。



これが皇帝。



シュナウト帝国の、立派な皇帝の姿。



だから他の者がついてくる。



人の気持ちを理解し、手を差し伸べ、頭を下げる事ができる。



俺もこんな皇帝になりたい…。



隣で頭を下げた。



「もう、乱世は懲り懲りですからね」

「平和がいちばんと、奪い合った後に気付いたのだ。我々は陛下を信頼しておりますよ」



シュナウト帝国は、本当にいい国だ…。



幼い頃の記憶では、父上は大変な思いをしていたけれど、今こうしてひとつに纏まっている。



これが父上が作り上げた理想の帝国なのだろう。