皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

ヒナが後ろで立ち上がれないほど泣いている。



「おろしてください…」

「あぁ…」



俺って泣くのだな…。



大事なものを失うことがこんなに痛いなんて、今まで知らなかった。



「ヒナっ‼︎」

「アリス様ぁぁぁ‼︎」



ふたりで抱き合って泣いている。



あぁ、ダメだ。



泣きやめ、俺。



「殿下も泣くのですね」

「うるさい、バカジェード…」

「すみません。でも、殿下の気持ちは…理解したつもりです。本当に申し訳ありませんでした…。それと…私の勝手なお願いなのですが…」

「なんだ…?」

「戻してください。殿下の元で…殿下と一緒に仕事がしたいのです」

「まぁ、今回の功績を認めて昇進ってことで、戻してやらなくもないが…」

「本当ですか‼︎」

「俺がお前のこと、どう思ってるのか考えたのか?」

「はい。私はあなたに…大事にされています」



そう言って笑った。



卑怯者。



滅多に笑わないくせに、そんなふうに笑顔を向けられたら許すしかないだろ…。