皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

何も手につかない。



ジェードを待てと言われて、城から出てアリスを探しに行くことも叶わない。



「クソっ…」



気持ち悪い。



とにかく、気持ち悪い。



腹の中が…気持ち悪いんだ。



「殿下…」

「ヒナ…。歩いて大丈夫なのか…」

「申し訳…ございませんでしたっ‼︎」

「…………」

「何も…できませんでしたっ…一緒にいたのにっ‼︎相手の顔だって見たのにっ‼︎どうしたらいいかっ、わかりませんっ…」



大粒の涙を流すヒナは、責任を感じているに違いない。



刺されて、苦しんだくせに。



「お前もジェードと同じだな…」

「アリス様はっ、ヒナのことを友達だと言ってくれましたっ…もし、拐われたのがヒナでもっ、アリス様はヒナと同じ気持ちになるに違いありませんっ…」

「そうだろうな。それがわかってるだけ、ジェードよりも大人だな、ヒナ」

「そんなこと…」

「祈るしか…ないのだな…」

「違います。信じるんです、ジェード様を」



そう、だな…。