皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

いつもジェードさんがお仕事していたソファーとテーブルには、数枚の書類だけ。



これって、ジェードさんじゃなきゃ務まらないんじゃないの…?



「カイト、休憩だ」

「はい、殿下。では、少し外の空気を吸ってまいります」

「あぁ、ごゆっくり…」



どうやら、リュークとは合わないような気がする。



だって、雰囲気が楽しそうじゃないもの。



「召し上がります?」

「ん、うまそうな色だから」

「紫が、ですか?」

「お前の髪と同じ」



ふっと笑ったリュークに、久しぶりに赤面する私…。



絶対ヒナに聞かれた…。



恥ずかしい…。



「あっ、うまい」

「よかった」

「母上もよく甘いものを作っていたな」

「そうなのですね。今度教えてもらおうかしら」

「喜ぶだろうな」



疲れた顔。



それに、こんな量の書類は見たことがない。



「ねぇ、リューク」

「ん?」

「お仕事、進まないんじゃ…」

「まぁな…」

「ジェードさんじゃなきゃダメなのではないですか…?」

「そんなの、俺がいちばんわかってる」



そう言って苦笑い。