きっと、他の者も自白するだろう。



自由が欲しくて俺を殺そうとするくらいだ。



ひとりが裏切ったと知れば、命惜しさに次々に吐くと思う。



「食事を用意させる。有意義な時間だったぞ、ダン」

「あんた…いい人だな…」

「そうでもない。助けたと見せかけて…お前に死刑を言い渡すかもしれないからな」

「はははっ、おっかねぇや…」



さて、どうするか。



拷問部屋を後にして、食事を出すように指示をする。



執務室に向かえば、ジェードが書類をまとめていた。



「バルジャが仕組んだと言っていたぞ」

「すごいですね。よく吐きましたねー」

「お前が喋れなくしたんだろ?なに考えてんだか…」

「はははっ、つまらないな」



ジェードから感じるのは『怒り』なのだ。



責任を感じているんだと思う。



バルジャを出る前に引き止められた。



大型の船が出るのがその日を逃せばしばらくなく、仕方なくジェードに残ってもらい、後から合流する手筈だったのだ。