暴動を起こしたヤツらが数人、この城に捕らえられている。



ジェードは犯人を吐かせるためにここに通い詰め。



進展しないので、様子を見に来たのだが…。



「話せるのか?お前…」



ブンブンと、千切れそうなくらい首を横に振っている。



だろうな。



口、開かないだろ…。



「看守、治癒魔法を使える者を」

「かしこまりました‼︎」



看守が連れて来た魔導師が、治癒魔法をかけた。



気休め程度だが、多少はマシだろう。



魔導師を帰し、近くにあったイスを目の前に置いて座った。



「水、飲むか?」

「み、水っ…」


ビンに入った水を渡せば、何の迷いもなくゴクゴクと飲み干して。



その後、すぐに涙が流れた。



「誰に頼まれた」

「どうせ、殺すんだろ…。あんた、皇子だよな?」

「あぁ。話の内容によっては、生かしておくことも考えてやらなくないが」

「…………俺はダン、元はバルシャの盗賊だ」



バルシャ帝国で捕まっていた囚人だと。