皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

フワフワの耳を撫でながら横になるリュークは、とても満足そう。



私は朝からヘトヘト…。



せっかく眠れたのにダルイ…。



「今日は侯爵夫人が来るのに…」

「その姿では会えないだろう?」

「リュークの趣味だとでも言い訳しますよ」

「それは困る。いつもと違って燃えるけど」

「もぉ…」

「ローラに相手してもらえないか聞いてみる。ゆっくり休んでおけ」



頭を撫でられると気持ち良くて。



またうとうと…。



「心配させてばかりで、すまない」

「んぇっ?」

「俺は生きてる。大丈夫だ、アリス」

「…………私を置いてひとりで逝かないでください。先に死ぬなんて許さない。私も一緒に、連れてってください」

「なら、長生きしないとな」

「お願いします、リューク…」



消えた不安と、暖かい温もり。



そうなのよね、リュークは今、ちゃんと生きている。



それが今の全てで、何も考える必要はないのね…。