皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

【アリス】



魔力が底をつきそうな皇后様。



リュークの治療は難しいものだった。



「出血が止まらないっ‼︎」

「魔法で治癒を‼︎」

「それでは間に合わない‼︎」



リュークから流れる赤に、震えが止まらなかった。



お医者様や魔導師の方々が、とにかく必死だったのを覚えている。



私は何もできずに、ただその場にいただけ。



「アリス様っ‼︎」

「ヒナっ…」

「大丈夫ですか…?」



飛んで帰ってきたヒナが、私の手を握ってくれた。



皇后様の魔力の回復に、魔導師が治癒魔法をかけるけれど、目を覚さない。



「血が足りない‼︎」

「輸血をします」

「殿下と同じ血液型の者を集めろ‼︎」



お城の中で、殿下と同じ血液型の人が、血を分けてくれた。



私は本当に何もできずに、見守るだけだったの。



忘れられない。



あの時の震えと、リュークの青い顔。



そして、あの赤。