皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

父上は書類と向き合っていた。



「目が覚めたのか」

「ありがとうございました。それと、ごめんなさい…」

「怒ってはいない。無事でなにより」

「結局、俺ではどうにもならずに父上の手を…」

「何の経験もないのにひとりでやれるわけがないだろう。お前が俺に知らせたのは正しい」

「…………それで、どうなったのですか」

「取り押さえた者をジェードが楽しそうに拷問にかけているぞ。まぁ、バルジャの仕業だろうな。初めからお前を狙っていたのだろう。だから、ジェードをお前から離した。大した用でもなかったようだしな」

「どうして俺を?」

「後継が有能では困るのだろう。この城、国の警備を強化した判断は、さすがリュークだ」



褒められてる…?



えっ、父上に褒められてる?



初めてかもしれない。



政務に関わってから、ダメ出しばっかりで、褒められたとしても微妙な程度。



これは、嬉しいな…。



「レオナルドも動くことを少しは覚えたのではないか?」

「だといいのですが…」

「国境で不審な者が確認されているし、お前の読みは当たっていたということだ。よくやった、リューク」

「ケガして瀕死になって使い物にならなかった俺には…」

「それはそうだな。撤回しよう」

「ひどいっ…」

「ははははっ、死なないでくれて、ありがとう、リューク」



俺、もっと頑張るから。



これから先も、俺は死なない。