皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

ドクンっと体が鳴る音がする…。



あっ、心臓が動いている…。



熱さが、痛みが引く…。



「うえっ…」

「リューク‼︎」

「気持ちっ、わりぃっ…」

「動かないでっ‼︎」

「ゴホッ…」

「皇后様っ、血がっ…」



生きてる…のか。



とにかく気持ち悪い。



「大丈夫、それは溜まってたのだから。リューク、全部出していいわよ。気持ち悪いでしょう?」



母上にそう言われて、とにかく吐いた。



意識がハッキリして来て、目を開ければまるで殺人現場。



えっ、俺の血…?



これ、大丈夫か…?



「傷口は綺麗に治ったわ…。もう、大丈夫ね…」

「母上っ…」



真っ青な顔色。



相当魔力を使って俺を治したようだった。



「おやすみになってください、皇后様。こちらで治癒を」

「えぇ、そうする…」



今にも倒れそうだ。



俺も、この血の海で倒れそうだが…。



「殿下、体に変なところはございますか?」

「魔力が底をつきそうだ…」

「そこまでの治癒は今の皇后様にはムリでして…」

「大丈夫、大丈夫だ」




手も足も動く。