母上に治して貰えばいい。



「治してください」

「それはできん。俺の魔力の回復が先だ。3人をこの距離では少々キツいのだ」

「そうですか…」

「キャシー」



父上に魔法をかける母上。



この距離は、俺は飛べない。



それをアレンと母を連れて飛んだ父上はやっぱりすごいと思う。



「アレン、ファーガス、状況の把握と、優先順位を考えておけ。その指示も任せる。では、すぐに戻る」

「「はっ‼︎」」



戻る?



と思った瞬間、俺と母上を抱えた父上が、城に飛んだ。



「えっ…」

「すまない、リューク。お前の治療は魔導師に頼んでくれ。キャシー、頼む」



母上がまた、父上に魔法をかける。



すると、魔力が戻った父上はそのまままた消えた。



「うっ…」

「大丈夫ですかっ⁉︎」

「ごめんなさい、リューク、さすがに…魔力切れ…。お願い、私が復活するまで…無事で…」

「母上っ‼︎」



意識がなくなった母上を、魔導師がベッドに運ぶ。