皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

そんなヒナがお休みの日、お茶を飲んでゆっくりしていた。



「アリス」

「陛下っ⁉︎なぜ、こんな場所に…」

「リュークが…」



帰路で船に乗り、シュナウト帝国に足を踏み入れ、しばらくした時。



怪我をしたと。



「えっ、どうして…」

「ジェードは遅れて合流する予定で、そばにいなかったそうだ。滞在していた王国の街で暴動が起きたらしい」

「そんな…」

「前々から怪しい国ではあったのだが、野放しにしすぎたようだ。原因を突き止めるため、私はすぐに向かうが、リュークを連れてくる。頼めるか?」

「は、はいっ‼︎」

「キャシーは私の魔力の回復のために連れて行かなければならない。悪いが、治してやることができないのだ。とにかく診療室へ向かってくれ」

「わ、わかりましたっ…」

「そんな顔をするな。リュークを信じてやってくれ」



そう言った陛下は私の目の前から一瞬で姿を消したのだった。



お願い、早く帰ってきて…。