皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

動物も苦手だし、運動も苦手。



そういうことをさせてもらえなかったせいだと、今ならわかる。



苦手なものがいっぱいの世の中なのだ。



「そろそろ戻ろうか。今から会議でね」

「朝食は召し上がったのですか?」

「飴食べたからもういらないかな」

「ダメです。しっかり食べてください」

「ちょっと胃が痛くてね」



目が、怖い…。



なにかを探られている?



そんな気がするのに、心当たりがない。



「殿下は…どんな方なのですか…?」

「えっ?」

「どうして、そんな目をするのですか…?」

「意味がわからないな。部屋に送るよ」



やっぱり、私はこの人が怖い。



部屋に戻って朝食をとった。



朝から殿下に会うなんて思ってなかったから、なんだか生活リズムが崩れたような感じ。



「ヒナ、殿下はどんな方ですか?」

「殿下、ですか…?」

「なんだか、掴めない人…」



私付きのメイドに、殿下のことを聞いてみる。