皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

その日から目まぐるしく仕事に明け暮れ、出発の日。



見送りに出たアリスに抱きつかれ、今にも泣き出しそうな顔にキスをした。



「行ってくる」

「お気をつけて…」

「帰ったら休みをもらおう…。後宮に引きこもってアリスと過ごす…」

「いいですね、それ」

「では、アリスもムリはするなよ?」

「はい、行ってらっしゃいませ」



名残惜しく旅立つ俺に、ジェードのため息。



お前だってミアを部屋に連れ込んだくせに。



知ってるのだぞ。



昨日、早々に仕事を切り上げて部屋で過ごしていたのは。



「いやぁ、殿下も変わられましたな」

「そうか?」

「騎士団を任せられた頃の殿下に比べたら丸くなったものです」

「俺はそんなにひどくはなかったと思うのだが…」

「コネで騎士団に所属していたボンボンを一掃して警備隊に降格したり、賄賂を受け取っていた団員をボッコボコにした後にクビにしたり。面白いくらいキレッキレでしたな」



それは今でもやると思う…。



丸く、なったか…?