皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

それとも、笑って送り出す?



「バルジャ帝国を知っているか?」

「獣人が治める帝国ですよね?ここからだと陸路と海路で数日かかる」

「そうだ。そこへ行くことになった」

「お仕事で、ですか…?」

「式典に呼ばれてしまってな。今年は大々的なものになるらしい」

「そうなのですか…。でも、お仕事なら仕方ないです…」



あっ、悲しんだ。



『好かれている』と実感するのに、嬉しくないな。



「どのくらいかかるのですか?」

「移動だけで10日。行きと帰りで20日以上かかる」

「長い、ですね…。私は何をして待てばいいのでしょう…」

「んー、そうだな。なにか考えておく」



ススっと距離を詰めてきたアリスは、俺の腕に頭をくっつけた。



こんなこと、滅多にしないのに。



恥ずかしがり屋のアリスは、いつも顔が赤くなる。



それが今日は見られない。



ソッと頭を撫でると、悲しそうに見つめられた。