皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

【アリス】



幸せなことは、全部リュークと分け合いたい。



人をこんなに好きになったことがなくて、この気持ちはどこまで加速するのか。



「これでいいかしら…」

「大丈夫だ。行くぞ」

「ふふふっ、楽しみ‼︎」



今日はどこに連れて行ってくれるの?



馬で行くのだと思ったら、リュークが私を抱きしめた。



「へっ⁉︎」

「目を閉じておけ。一瞬だから」

「は、はいっ‼︎」



体が宙に浮く感覚の後、暖かい風が頬を撫でた。



ゆっくり目を開けると、一面に広がる花畑。



「なん、で…?」

「俺の魔法」

「瞬間移動ですか…?」

「父上と俺しか使えないし、俺は父上ほど遠くに移動はできないけどな。アリスが毒で倒れた時も使ったのだが…覚えてないか?」

「覚えてないです。でも、言われてみると一瞬で違う部屋に行った気もする…」

「消費が激しいから、あまり使わないのだ」



そんな魔法が使えたなんて知らなかった。



すごい力…。



「ここはどこですか?」

「城が見えるだろう?あれは王城だ」

「ならシュナウト王国?」

「下町の外れ。たまにはゆっくり散歩でもしたくてな」



花の中をリュークと手を繋いで歩く。