皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

まずは久しぶりの風呂だ。



「あぁぁぁぁ、やっぱりここの風呂は最高だ…」

「私も好きです、後宮のお風呂」

「気持ちいい…」



髪を洗ってもらうことはやめられない。



アリスだからいいのだろう。



こんなに気持ちいいこと、やめられるわけがない。



「タオルが邪魔なのだが」

「ムリです。裸で抱っこはムリ…」

「どうする?髪は洗うのか?」

「洗いますよ?リュークがお風呂から出たら、ですけど」

「洗ってやるのに」

「イヤです。恥ずかしくてのぼせちゃうので」



仕方なく先に風呂から出て、アリスを待つことに。




用意されているワインに手を出して、整えられたベッドに目をやる。



する、のか…。



できるのか⁉︎



女を抱くことになんの疑問も持ったことがなかった。



だけど、アリスは女ではない。



ただの女ではないのだ。



母上にしか子どもができなかった父上の気持ちがわかる気がする。



他の『女』なんかほしくない。



俺は『アリス』だけがほしい。