皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

そんなグレースは妊娠中のため、今回は欠席となった。



そのグレースの夫は来ているはず。



あっ、いたいた。



「おめでとうございます、皇子殿下」

「久しいな、カーター。グレースは大丈夫か?」

「つわりが酷く、苦しんでおりまして。出席したいと暴れそうになっていましたよ」

「そうか、相変わらずだな。ワガママは言っていないか?」

「まぁ、そのワガママが可愛いのですよ、グレースは。新婚旅行、待っておりますので」

「あぁ、楽しみにしている」



いい男なのだ。



グレースを嫁に欲しいと言った国の王子。



この帝国で2番めに栄えている大国で、海があり、商業が盛んな国なのだ。



俺よりも年上で、頭もきれる。



評判も悪くなく、俺と似た考えを持つところが気に入っている。



「アリス、今のがグレースの旦那だ」

「ステキな方ですね。グレース様にもお会いしたいわ」

「ハネムーンで会える」

「ふふっ、楽しみ」



こうして、俺とアリスの結婚披露パーティーも滞りなく終了。