皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

適当に選んで連れてきた3人の令嬢のひとり、アリス様。



そのお方のことを考えている時間は、子どもがいたずらを始める前のような顔をする。



これはいい傾向だと思う。



世継ぎを残してもらうことも必要なことだが、殿下が穏やかなのだ。



「団長会議かぁ…」

「統括、怖いからなぁ…」

「今日は機嫌がいいといいな」



騎士団を纏める役目を果たしている殿下は、屈強な男からも恐れられている。



実力は相当の物だし、殿下の言葉が間違うことが滅多にない。



両騎士団の統率が取れているのは、殿下が上にいるからに違いないのだ。



「ジェード団長‼︎」

「私は団長ではない」

「あっ、癖で…。申し訳ありません‼︎」

「なんだ…?」

「おヒマなら手合わせでもしてくれないかと思いまして…」

「お前も団長ではないのか。負けたら面目が立たないのでやめておけ」

「知ってるんですから‼︎この前第二の団長とやり合ったって‼︎」

「ストレスが溜まっていたのでな…。で?やられたいならやってやるが」

「あっ、大丈夫です…。次の機会に…」



私は強い。