【フィンリューク】



レオナルドの意中の相手が城へ来て、かれこれ5日。



どうやら、アリスと仲良くなったらしい。



「すごいのよ、ローラって‼︎レオナルド様と一緒に洞窟の探索に行ったんですって‼︎」

「そうか」

「魔物の討伐隊に手を貸したこともあるんだって言ってました‼︎」

「へぇ」

「それでね、魔法でお花が出せるの‼︎氷でお水を凍らせて、まるで彫刻だったわ‼︎」



あのローラという女は魔法が得意なようで、宿の近くの洞窟に行く冒険家たちに、洞窟の案内なんかもしていたとか。



根っからの引きこもりお嬢様のアリスからすれば、ファンタジーの世界だろう。



相当楽しいようだ。



「それとね‼︎」

「もう良い。今は誰といるのだ?」

「殿下…ですけど…」

「お前が楽しかったのはよくわかった。でも、そんなに他の者の話をされると、女とわかっていても妬ける」

「で、殿下っ…」

「たまには俺がお前にマッサージをしてやろう」

「だだだだ、大丈夫ですっ‼︎どこも凝ってませんっ‼︎」

「遠慮するな」



俺とも遊んでくれ。