皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

恋なんか、多分一生しない。



「ギルバート家の娘はどうだ?」

「さぁ?どうだったかな」

「お前のことだ。真剣に選べ」



父上にそう言われて、次の日は仕方なく一番最初にここへ来た女の部屋へ来た。



壁紙が花柄で、水色のキレイな髪をしている女。



「お待ちしておりました、殿下」

「待たせてすまなかったね」



妃には機嫌よく接し、甘い言葉でも囁けとジェードに言われている。



機嫌を損ねると面倒らしいのだ。



「セレスティーナ、あなたのことを話してほしい」

「私のこと、ですか?」

「なんでもいい。飲みながら聞きたいのだ」

「今準備させますわ、殿下」



セレスティーナという女は、自分の出生から趣味、どれほど俺に嫁ぐことを夢に見ていたかなんて、そんなことを話した。



どうでもいい。



お前も貴族の娘だ。



腹の中は真っ黒なのだろう?



母上は駆け引きができるような人ではなく、正直で少し抜けている。



そんな女は、あまりいないということも、俺は知っているのだ。