怒らせなければ基本的には優しいのだが、度を越すと本当に怖いのだ。



「お前、私に何と言ったか覚えているか?」

「口を…出すなと…」

「で、結果がコレ。笑えるなら笑ってみろ」

「も、申し訳ありませんでしたっ‼︎」

「まぁよい。私は優しいのでな。しばらく政務から外す程度で勘弁してやろう」

「それはあまりにもひどいっ‼︎俺の抱えている仕事はどうするのです⁉︎」

「俺がやる。お前、用無し」



あっ、はい…。



何も言えない…。



今の俺が政務に関われなくなることが、いちばんひどい罰なのに。



あぁ、泣きそう…。



「異論はないな。で、レオナルドよ」

「は、はいっ‼︎」

「次に勝手に城を出たら…お前の自由に使える金はないと思え」

「そんなっ‼︎スカーレットのご飯代っ…」

「あのドラゴンが大事なのだろう?なら、もう二度と家出は許さん」

「…………わかりました」

「で、お前には仕事をしてもらうぞ」

「い、イヤだ…」

「聞こえなかったが、なんか言ったか?」

「仕事、イヤ‼︎僕が僕じゃなくなるっ‼︎」

「ならばお前が持つ資産は没収。いつまでも遊び回れると思うな」

「ひどいよ父上〜‼︎」



うん、ひどくないと思う。