【フィンリューク】



俺の部屋で正座をする俺と弟。



父上はソファーに座り、組んだ足の上に組んだ手を乗せている。



とりあえず、レオナルドに飛んできた空になったカップ。



咄嗟に魔法で浮かせるバカ。



「なぜ避けるのだろうか」

「つい…」

「まぁ、これは無事に戻ってきた愛息子、レオナルドへの軽い挨拶だ」



当たっとけよ‼︎



俺に飛んできたらどうすんだ‼︎



「で、フィンリューク」

「はい…」



俺を『リューク』ではなく『フィンリューク』と呼ぶ時は、絶対怒っている時…。



あぁ、こんなの久しぶり…。



「私はお前に何度助言をくれてやっただろうか」

「数えてません…」

「それで、お前はどうなった?」

「逆に迷惑をかけてしまいました…」

「私の仕事内容はわかっているのだよな?」

「はい…」

「お前が倒れてから、死ぬほど忙しかったな」

「弁解のしようもありません…」



父上は、本当に怖い。