皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

俺と父上の反省会といったところか。



必要な時間なのだ。



「で?後宮へは向かわんのか?」

「あぁ、そんなものもありましたっけ」

「お前、いくつになった?」

「21です」

「早めに孫の顔を見せてくれると助かるのだが」

「そのうち」

「正妃は?」

「どうやって決めたらいいのでしょうね。それぞれ、初日にしか会ってないので顔も忘れたんですよ」

「大事にしろ。お前が選んだのだろう…」



そろそろ結婚しろと言われ、アレンに選んでもらった数人の妃。



誰にするかと言われ、決められずに全員を妃に迎えた。



忘れてた、そんなこと。



「先に子ができた妃が正妃でよくないですか?」

「ダメだ。正妃は見極めろ。そして、早めに決めるのだ」



父上も俺が選ぶなら誰でもいいと思っていて、できれば俺が下町や王都で恋をするかもなんて淡い期待を抱いていたようだけど。



その期待には全く添えなかったのだ。