皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

私は風邪をひいて寝込んでも、そばにいたのはメイドや執事。



『うつるかもしれないわ』と、母は顔を出すこともなかった。



心配なんか、されたことないのかもしれない。



そう言えば、小さな頃は兄が庭のお花を摘んできて、何も言わずに置いて行ったことがあったっけ。



その花に虫がいて、嫌がらせかと思って泣いたのだけれど…。



あれは兄なりの優しさだったのね。



「何を笑っている…?」

「小さな頃の兄の不器用な優しさを思い出したのです」

「そうか。あぁぁぁぁ…母上も全開にしてくれればいいものを…。多少ダルイな…」

「殿下が仕事しないように仕向けてるのですよ。皇后様の優しさですね」

「腹が減った…」

「軽い食事を頼んできます。まだ休んでてください」



メイドを探しに部屋の外。



誰かに会えたら頼もうと思ったのに、珍しく誰にも会わずに。



「あれ…ここはどこでしょう…」



迷子になりました。