皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

アリスが部屋に入ると、眠そうなジェードが立ち上がって頭を下げる。



「もういいぞ、ジェード。眠くて仕事にならん。休んでくれ」

「殿下も早めに休まれてくださいね…」

「そうする」



ぺこりと頭を下げ、執務室を出て行った。



ジェードが作業していたテーブルの書類を片付けて、ソファーに座る。



「お疲れですね」

「寝る暇もないとは、このことだな…」

「一息入れてください」



アリスがカップにそそぐ、温かいお茶。



ひと口飲めば、ホッとする味。



甘いのは、俺のことを気遣ってか。



「ひとりであまり覚えていない城の中を歩くなんて、アリスらしくないな」

「殿下のお部屋と執務室はちゃんと覚えましたよ?」

「なぜ来たのだ?」

「最近…お会いしていなかったので…お顔を見たくなったというか…」



恥ずかしそうな顔して何を言うか。



一応仕事中なのだぞ。



「寝なくていいのか…」

「眠れなかったので…」



あぁ、ダメかも。