そんな母上も散々不機嫌な父上に付き合わされて『いいかげん、私を呼ぶのはやめてちょうだい』と、協力してくれなくなったのだ。



「陛下、その辺にしてください。殿下も少し頭を冷やしなさい。休憩を入れましょう」



宰相のアレンの声で一旦休憩が入る。



廊下へ出て、さらに庭に出る。



「ジェード、タバコ持ってるか?」

「ございますよ」

「10本くれ」

「イライラしすぎです、殿下…」



渡されたタバコと、差し出された火。



肺に吸い込んだ煙を、空に向かって吐き出した。



あぁ、腹が立つ。



父上はいつまでも俺を認めないのだ。



俺の意見は却下され、父上の意見が通る。



それが、間違っていないから、余計に腹が立つ。



「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ハァ…」

「落ち込むなら、意見を引っ込めたらいいのに…」

「俺は昔から負けず嫌いなんだ‼︎」

「存じ上げております」

「間違ってはいないだろう⁉︎」

「まぁ、そうですが…。あの陛下とあれだけやりあえるのも殿下と弟の国王陛下ぐらいですし…」



他の奴らもなんとか言え‼︎