皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

もこもこしているからか?



それとも、その笑顔か。



なんだかアリスに触れたくて、手袋越しに手を握った。



「普通のカップルみたいですね」

「そう、か?」

「こんな風に一緒に街を歩くなんて、信じられない…」

「たまにはいいだろう?ここでは誰も俺たちのことを知らないのだ」

「楽しみます‼︎」



手を離したアリスが、俺の腕にくっついて来た。



下町を腕を組んで歩く…。



俺たちは今、メイドと騎士の、ごく普通のカップルだ。



公園に着くと、アリスは一軒の出店に向かった。



「これは酒だが?」

「湯気が見えたから暖かいのかと思って…」

「飲むか?体は温まる」

「グレンは?飲める?」

「あぁ」

「飲めなかったら飲んでくれます?」

「構わない」



レモンベースの温かい酒をひとつ。



ふーふーと冷ましてから一口飲むと、アリスは微妙な顔。



酒はあまり飲まないのか、いつも俺だけが飲んでいるし。