想像と違うというか、意表を突かれたというか。



なんか、優しかった…。



「ジェード、妃の案内は任せた」

「もちろんでございます、殿下」

「先ほどの件も早急に対処しろと伝えてくれ」

「はい」



本当に忙しいんだ…。



麗しすぎて妖精みたいだし…。



あの人の隣はものすごい美女じゃなきゃ成り立たない気がする…。



「アリス様、後宮へ向かいましょう」



ジェードさんと歩き出し、道は全く覚えられないまま別の建物へ。



真ん中に広い円のような空間がある。



「他のお妃様にお会いするのはこの場所くらいでしょう。アリス様はこちらです」



この建物自体が円形なのだと、部屋に入ってわかった。



真ん中の空間からいくつも分かれ道があり、その廊下を進むと部屋になっている。



壁がアーチ状になっていて、広くてキレイな部屋は、白で統一されていた。



「お好きな色があれば、壁や家具も好きに変えていいと、殿下からの伝言でございます」

「あっ、このままで大丈夫です」



興味がないもの。



この部屋に殿下が来ることも、想像できない。



私はこの先、どうやってあの人に接していくのだろう…。