俺はどこかおかしかったのかと、最近ようやく理解した。



寄ってきて、こびを売る女に全く興味が湧かなかったのも、俺を落とそうと色仕掛けで来る女も。



全部同じ。



アリスだけが俺を拒み、嫌がる。



しかも本気で。



それを追いかけて、追い詰めて…泣かせた時の快感。



あぁ、こういうことだったのかと、なぜか府に落ちたのだ。



とてもいい顔をする。



最近ハマっているのはアリスとのキスで、受け身でいるアリスをとことん追い詰めて、逃さないように自由を奪う。



ムラムラする…。



「両陛下のご到着です」



その声で、一応離れた。



アリスは深く礼を取り、俺も頭を下げる。



「お帰りなさいませ、皇帝陛下。道中、何事もございませんでしたか?」

「あぁ、何もない。とても有意義な旅となった。助かった、リューク」

「それはよかった。帝国記念日の式典も滞りなく」

「旅先の王がお前を褒めていた。妃も、ご苦労であったな」



そうか、父上に会うのは初めてか。