息苦しさで目が覚めると、視界が狭い。



「なっ…に…」

「そのまま寝てていい」

「えっ、殿下っ⁉︎」

「チッ、起きたか…」

「なななな、何してるんですかっ…」

「何って…、アリスで遊んでたんだが?」



悪びれる様子もなく、私の上に乗りキス…。



遊んでたって、私はオモチャじゃないのだけれど?



「いい匂い…」

「ヒナにオイルマッサージを…」

「ふぅん、髪も」



殿下が手にした私の髪がスルリと滑り落ちた。



「なぜここにいるのです?」

「友人が一緒に食事しないかと言うので、誘いに来たのだ」

「あっ、今ヒナが私のご飯を作りに行ってくれてて…」

「ヒナが?それは…食べてみるといい。サミールにはまたの機会にと言っておく」

「すみません…?」



あっさり引き下がった…。



てっきり強制連行かと思ったのに。



「無駄足を踏んだな。で?俺の貴重な時間を割いた代償は?」

「は、い…?」

「ヒナが来るまでだな。よし、座れ」



膝の上に座らされ…キス、キス、キス…。