皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

甘い匂いがする…。



「あのっ、ジェードさんが来てしまいます…」

「ジェードがお前をここに連れてきたのだろう?息抜きしろと言うことだ」

「これ、息抜き…なのですか…?」

「アリスの慌てる顔と怯える顔は息抜きになるな」

「最低…」



そう呟き、肩に重みが加わる。



あれ?



意外にも体重預けてきた…。



落ちないように腰に手を回すと、ビクッと震えてシーンと…。



疲れてるのか?



「アリス?」

「はい…」

「体調でも悪いのか?」

「殿下の戯れに慣れるのに必死なだけです…」

「ははっ、慣れるな。つまらん」

「じゃあっ、どうすればよろしいのっ⁉︎」



上げられた顔は真っ赤で、とても慣れているようには見えなかった。



そこだ、面白いの。



「飴、もらおうか」

「食べるんですか?仕方ないなぁ…」

「違う、アリスのをもらう」

「へっ⁉︎」



口の中の飴を、奪い取ってやった。