皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

この国の問題点は明確だった。



「何を見たのかな?リュークは」

「富裕層とそうでない者の壁というか、爵位を持つ者が考えていることは自分の保身や位の高さをひけらかし、好き放題やること。これでは民がかわいそうだと」

「多いんだよね、そういうの。もうね、階級制を無くそうとも考えているのだが…なかなかうまくはいかないし、そんなことをすれば貴族たちが暴動を起こしかねない」

「ですが、せめてもう少し厳しく調査をしてもいいのでは?領地により、全く違う税を払っている場所もあるようですし」

「できる?リューク」

「私はシュナウト帝国の皇子、できないなどと言ったら、父上に顔向けできません」

「じゃあ、頼むね。功績を挙げ、次期皇帝としての地位を確かなものにしておきなさい」



叔父上の力も借りて、死に物狂いでこの国を良くしようと尽力した。



寝ずに働く日、疲労が溜まり倒れた日。



頭と体を使い、必死に働いた。



「リューク、そろそろ戻れと、皇帝陛下からのお達しがあったよ」

「わかりました。叔父上、とても勉強になりました」

「またおいで、我が甥っ子よ」



俺は城に戻る。



少しは父に近づけただろうか。