案内された部屋で座っていると、様々なお菓子やお茶が出された。

(ひびき)お坊っちゃまの帰宅までお待ちください」

仕える人は響っていうらしい。

どうか、優しい人でありますように!

あたしは言われるがままにお茶を楽しんでいると、部屋の扉が開いた。

「芹沢様、こちら響お坊っちゃまでございます」

意外にも整った顔立ちで見とれてしまった。

あたし、こんなイケメンに仕えるの?

「君が俺の新しいメイドね。俺は藤堂響、よろしくね」

天使のような笑顔で握手を求められた。

よかった、いい人そうで。

「あたしは芹沢華です。よろしくお願いします」

握手しようと手を伸ばしたその時。

バンッ、と払い除けられた。

「俺はお前ら庶民と仲良くする気はねぇからな。俺のためだけに働け」

前言撤回!!

「誰があんたなんかと仲良くするか、ただの金持ちが!」

「……なんだと?」

「調子に乗るな!!この性悪金持ちめ!」

「しつけがなってないようだな。これからたっぷり可愛がってやるよ」

「望むところよ!」

こうして、第一印象最悪なこいつとの主従生活が始まった。