バイオリンの音が聞こえて目覚めた。

何?

目を開けて見てみると、響が弾いているようだった。

そんなわけないよね。

響が弾けるわけ……。

その音色は綺麗で心が満たされていった。

誰がこんな綺麗な音を奏でているんだろう。

ガタン。

「お坊っちゃま。晩餐のお時間です」

「ああ」

「華さんはまだ寝ておられますか?」

「お前練習させすぎ。こいつ、頑張り屋だから誰かが止めないといけないだろ?」

「そうですね。私としたことが」

「華はとりあえず寝かせておく。西宮、華を見てくれないか?起きたら呼べ。いいな?」

「承知しました」

バタン。

響がすごい優しい。

でも、これは夢だもん。

現実ではあり得ないもんね。