眠れなかった……。

今日は最終日で帰る日。

「昨日、どうだった?」

あたしは昨日のことを思い出して赤くなった。

「何があったの?」

「……ちょっと色々あって」

言えない。

絶対言えない。

「胡桃ちゃーん!華ちゃんが藤堂くんとのラブラブ話聞かせてくれないよ」

ラブラブしてない!!

「知られたくないことでもあるんじゃないの?二人きりだったしねぇ?」

胡桃ちゃんは探るように言ってくる。

あたしは顔を手で隠した。

「言わないなら、藤堂に聞くからね」

それだけはダメ!!

「言えばいいんでしょ!?」

あたしは昨日のことを全て話した。

「え、ラッキースケベじゃん。藤堂、内心にやけてたわね」

「わぁ、恥ずかしいね。華ちゃん可哀想」

二人の反応は違っていた。

「何がラッキースケベよっ!いい迷惑だわ!!」

「でも、嫌じゃなかったんでしょ?」

「……それは」

確かにそんなに嫌じゃなかったかも。

恥ずかしかっただけで。