蓮司が歓迎会で私と過ごせない代わりに、同期で仲のいい菜摘が私の誕生日を祝って一緒に夕飯を食べにでかけてくれた。

今夜は、菜摘の彼氏である澤田も本社営業所勤務の営業なので、蓮司と一緒に歓迎会に参加している。

蓮司は歓迎会に行く前に私のデスクに立ち寄り、菜摘に声をかけたのだ。

「明莉の誕生日一緒に祝ってくれてありがとう。江藤さん、明莉を宜しくね」

今までそんなこと言うような人ではなかったし、わざわざ二階に足を運んで私のデスクに来ることなんて一度もなかった。

そんな蓮司に、彼がいなくなったあと二階は大騒ぎだった。

私を気遣う彼の優しさは嬉しくもあり、そんな姿を他の人に見せたくない…。