「浜谷ちゃん、そいつそろそろ解放してやってくれる?

仕事たまってんだよね。

それにほら、夫婦喧嘩は犬も食わないっていうから自分でどうにかすんだろ。

なぁ香田?」

「…そうですね。

自分でどうにかしますよ」

理由はどうであれ、明莉を抱き締めていた片瀬さんが許せなくて、話かけられたことで片瀬さんを睨み付けると、浜谷ににこやかに話していた片瀬さんが目を細めて鋭い視線を俺に返した。