嗚咽の間から途切れ途切れに片瀬さんに話をしている明莉の声は聞こえたが、内容までは聞き取ることができない。

でも明莉が泣いている理由はわかっている。

仲良く話している俺たちを見たのだ。


しばらくして戻ってきた片瀬さんは普段通りで俺に何も言ってはこない。

唯一こうして浜谷が俺にぎゃんぎゃん噛みついていた。

「ちゃんと聞いてますか!
香田さん!!」

「…あぁ、聞いてるよ。わかってる。
久しぶりに会って仕事中にはめはずしたのはわかってる。

それに…俺に思ってることぶつけてくれないのも…俺のせいなんだろうな…」

口をぎゅっと引き結び、そのまま黙りこんだ俺を

「…香田さん?」

と浜谷が急におとなしくなり俺の顔を覗きこんだ。