「そうそう、思い出した。
なんかさ、うちの犬に似てたんだよ。

"できないーっ!無理っ!無理無理っ!!"

って地団駄踏んで半べそかいて大騒ぎしててさ。

それが妙に可愛くてさ。

顔も…たぶん可愛かったような気がするな。

…で?
なんでそんな昔のこと聞くんだ?」

「いや…。

ツナギのネームのせいで俺が助けたと勘違いされてるから」

「あぁ… 香田のツナギ着てたもんな」

「ん?っていうか誰に勘違いされてんだ?

会ったのか?あのときの子に…」

「あっ……うん…うちの社員。

探したって言ってた。

会いたくて入社したって…。

でもそんなこと言われても俺じゃないし。

正直困ってる…」

「はぁ。そういうことか…」

岡田が軽く舌打ちした。