「片瀬さん、なんなんですかあれっ!
隠し撮りってプライバシーの侵害ですよ!
個人情報を公衆の面前で暴露して"」

と文句を言うと

「香田、俺に文句じゃなくて感謝した方がいいぞ。

明莉ちゃんに捨てられなかったのはこのムービーのお陰なんだからな!

お前があの日家に来る前に、このサブライズムービー明莉ちゃんにみせたんだよ」

「はぁ!?
俺の感動的な二度目のプロポーズに心が動いたんじゃないの?」

蓮司が唖然としながら私の顔を覗き込む。

「私のこと、ずっとあんな顔をして見てくれてたんだって嬉しかった」

私の言葉に片瀬さんは

「ほらな、感謝しろよ香田」口角をあげて笑い蓮司はがっくりと肩を落とした。

「いや、でも香田、お前の二度目のプロポーズ最高だったぞ?
俺すっげー感動してドキドキしてお前に惚れたから」

「片瀬さんに好かれるのめちゃくちゃ迷惑ですからっ!

おい竹内っ!お前に片瀬さんの暑苦しい愛をやる!」

隣で楽しそうにお腹を抱えて笑ってい竹内さんが途端に青ざめ

「いや、遠慮しますっ!
片瀬さんめちゃくちゃ地獄耳で、会社の人間のこと怖いくらいに知らないことないじゃないですか!

片瀬さんの相手は俺には無理っす!」

後ずさる竹内さんに

「お前の結婚式にもサプライズな余興やってやろうか?

企画部の深雪ちゃん…」

にやりと笑う片瀬さんに竹内さんは顔面蒼白だ。

「しーっ!!
なんで…バレてるんですか…?
片瀬さんこえー……」

「ふぅん、企画部のねぇ…」

蓮司と片瀬さんに意地悪く笑われて竹内さんが挨拶にきた朝陽さんに助けを求めた。